まとめサイトやらおんに以下のような記事が上がっていました。
【悲報】花澤香菜、井上麻里奈、竹達彩奈、喜多村英梨、井口裕香、阿澄佳奈、無事見なくなる | やらおん!
まあこれは5chのどっかの記事をパクってきたんだと思いますが、この6人は別に消えていません。
アニメだけを見ても、花澤香菜さんは今年だけでも9本、竹達彩奈さんは7本、喜多村英梨さんは4本出演している上にゲームの仕事なども多数あるので、消えたというにはほど遠いでしょう。竹達彩奈さんはむしろ最近実写での仕事が多いのではないでしょうか。
まあ消えたとか干されたとかいうのは、それを言っている人が見ているアニメやゲームに出演していないから、印象で語っているだけで、実際に消えたということはまずありません。
しかし井上麻里奈さんと井口裕香さんと阿澄佳奈さんだけは消えたとは言わないし、見なくなったとも言わないまでも、顕著に出演数が減少しているのは事実です。
例えば井上麻里奈さんの仕事を見ると
2017年のアニメは
- 「トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド 機動救急警察」マイコ
- 「縁結びの妖狐ちゃん」清瞳
の2本のみ
2018年のアニメは
- 「ゆるキャン△」各務原桜
- 「ダーリン・イン・ザ・フランキス」ナナ
- 「伊藤潤二『コレクション』」由紀
- 「フルメタル・パニック! Invisible Victory」サビーナ・レフニオ
と4本あるものの、レギュラーのフルメタは継続です。
井口裕香さんも2017年は
- 「オトッペ」ウィンディ
- 「エロマンガ先生」紗霧の母
- 「天使の3P!」相ヶ江柚葉、霧夢〈イメージ〉
- 「アホガール」椎名黒子、正
- 「賭ケグルイ」蕾菜々美
- 「かみさまみならい ヒミツのここたま」ポカリン
の6本。2018年は
- 「宇宙よりも遠い場所」三宅日向
- 「ゴブリンスレイヤー」牛飼娘
の2本です。
阿澄佳奈さんは2017年が
- 「カミワザ・ワンダ」アメイジング
- 「笑ゥせぇるすまんNEW」高島ミツコ
- 「縁結びの妖狐ちゃん」塗山スース、塗山紅紅
- 「クレヨンしんちゃん」女の子
- 「シルバニアファミリー ミニストーリー」ショコラウサギのお母さん
- 「UQ HOLDER! 〜魔法先生ネギま!2〜」古菲
- 「魔法陣グルグル」花の精霊A
- 「いつだって僕らの恋は10センチだった。」早坂あかり
の8本、今年は
- 「うちのウッチョパス」アンちゃん
- 「宇宙よりも遠い場所」轟信恵
- 「銀の墓守り」西風
- 「ISLAND」枢都夏蓮
の4本です。
充分出ているという意見もあると思いますが、一時に比べて減ってきているというのは事実です。
ここで反論として、アニメの仕事だけが声優の仕事じゃないんだゲームの方が最近は重要との意見があると思います。確かに実際その通りで、私はアニメよりもゲームの本数で声優の人気を測った方が今は正しいのではないかと思うのでゲームの出演も調べてみます。
井上麻里奈さんの最近の出演作は
- 「七つの大罪 ブリタニアの旅人」ジェリコ
- 「シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK」総司
- 「ドラゴンクエストライバルズ」ビアンカ
- 「レイヤードストーリーズ ゼロ」アマデウス
- 「進撃の巨人2」アルミン・アルレルト
- 「戦場のヴァルキュリア4」アリシア・メルキオット
- 「スーパーロボット大戦X」アネッサ・ロセッティ、ヨーコ・リットナー / ヨマコ
- 「銀魂乱舞」池田朝右衛門
- 「僕のヒーローアカデミア One’s Justice」八百万百
井口裕香さんは
- 「スーパーロボット大戦X-Ω」インデックス
- 「電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機」インデックス
- 「ガールズ&パンツァー ドリームタンクマッチ」冷泉麻子
- 「閃乱カグラ Burst Re:Newal」雲雀
- 「暁のエピカ -Union Brave-」小春
阿澄佳奈さんは
- 「プリンセス コネクト! Re:Dive」リノ
- 「ネギマテ UQ HOLDER! 〜魔法先生ネギま!2〜」古菲
- 「モン娘☆は〜れむ」エイス
となっています。
ほらみろいっぱい出演してんだろカスと言われるかもしれませんが、確かに数は多いのですが、どれも既存のコンテンツのゲーム版やゲームの続編のみで、新規のゲームの仕事は限られています。
新規の仕事が少ないというのはやはり出演機会が少なくなっていると言いかえても的外れではないと思います。Wikipediaに捕捉されないような仕事があるから、という反論もありますが、Wikipediaに書かれてないということは世間に認識されてないと言えるので「見なくなった」という言葉は不適切ではないと思います。
あとはラジオなどもありますが、ラジオが声優のメインの仕事かと言われるとそうではないと思いますし、ナレーションは私が認識している限りではレギュラーはないと思っています。地方のものは分かりません。
ここでは、3人のみをピックアップしましたが他の3人に関しても仕事が減っているのは誰も否定しないかと思います。まあピークが凄かった声優ばかりなので減るのは当然として、それ以外の要因が最近の声優業界にはあるような気がします。
ではなぜ出演機会が減っているのでしょうか?
ギャランティーの上昇
まず最初に考えられるのは、ギャラの上昇です。声優は偉くなると徐々にギャラが上昇していくシステムであるというのは、色んな人が暴露している通りです。制作費が限られてアニメーターもギリギリ生活しているようなレベルでアニメを作っているのですから、声優のギャラもできるだけ抑えたいというのが制作側の本音だと思います。
逆に比較的潤沢にお金のあるアニメでは、ここに名前の上がっている人も使われるでしょう。例えば『南極よりも遠い場所』のようなアニメです。それ以外のアニメでは、基本は若手を使うことが最近の傾向ではないでしょうか。最近の若手は演技力もこなれているので、あまり中堅以上の声優を使う必要性を見出せないのが現状です。
イベント酷使ができない
もしその企画が成功した場合イベントなどを頻回に行うようになります。しかしながら中堅以上の声優を使った場合、そのイベントに呼ぶ費用も嵩む上に、他の仕事があったりして呼べないという事態になりかねません。よって必然的に若手を使うことになるでしょう。
アイドルマスターやラブライブなどに代表されるアイドルコンテンツはまさにこの傾向が強く、新人声優の青田買いをしてコンテンツに縛り付けます。失敗した例としてはガールフレンド(仮)でしょう。中堅以上の人気声優を大量に起用した結果、話題にはなりましたが、ガールフレンドおんぷでは、声優を数人しか呼べないという結果になってしまいました。
アイドルコンテンツ以外も同様です。例えば少し古い例ですが、ゆるゆりなどは新人声優を使ったので二次展開がとても柔軟に出来て息の長いコンテンツになったと思います。
女性声優の急増
単純に女性声優の数が飽和しつつあるという問題もあります。主婦の友インフォスより発行されている声優専門月刊誌「声優グランプリ」の付録「声優名鑑」に掲載されている女性声優の人数が2001年からの17年間で約4倍の800人になったことが話題になりました。単純計算では出演機会が1/4になることを意味しています(もちろん声優が増えた分仕事も増えているんだが)。
このせいか最近は、この声優だけ抑えておけば間違いないという声優は現れなくなりました。一時期のように一年に20や30ものアニメに出演するということは今後まず起きないでしょう。
まとめ
・やらおんが挙げた声優6人は消えていない
・しかし出演機会が少なくなっているのは事実
・それは業界全体が若手声優起用にシフトしているため