8月22日に発売された麻倉もものシングル「パンプキン・ミート・パイ」の初週売上が判明した。その売上は14,947枚。はっきりいってめちゃくちゃ売れている。今回は特典として抽選で10名に生電話が行われるらしい。これを目当てに大量に買っているようなファンが多くいるかもしれない。
7月には同じグループに所属する夏川椎菜のシングル「パレイド」も初週で12,807枚売り上げており、彼女らはCDの売上においては、声優トップクラスであると言える(特典マシマシ商法ではあるが)。もしかしたらナンスの売上を見て、もちょのファンが本気になったのかもしれない。しかしながら、同じTrySailというグループのメンバーである雨宮天はともかく、他の2人は声優に興味のない一般的なアニメファンの知名度はかなり低いのではないだろうか。というのもアイドル的人気は圧倒的でも声優の一番主だった仕事と思われるアニメには、雨宮天以外の2人はあまり出演していないからだ。
ちなみにもちょはアルバムの発売が予定されている。
TrySailの2018年出演アニメ
雨宮天
- 「新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION」三原フタバ
- 「キリングバイツ」宇崎瞳〈ラーテル〉
- 「オーバーロードII」クルシュ・ルールー
- 「BEATLESS」メトーデ
- 「バキ」松本梢
- 「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」広川卯月
- 「叛逆性ミリオンアーサー」団長アーサー
麻倉もも
なし
夏川椎菜
なし
なんというかまあ、控えめに言ってひどい有様である。あまり出演していないというよりは、今年に限って言えば、完全に出演していない。
もはや声優はアニメに出る必要はないのか?
麻倉もも、夏川椎菜の両名はアニメには最近全く出演していない。しかしそのアイドル的人気は加速度的に高まるばかりである。ファンの裾野が広がっているというよりは、ファン各人の熱狂度が深まっているだけなのかもしれないが…
ここで思うのは、もはや声優にとってアニメに出演することは必要なのだろうか?ということである。かつては声優の人気を左右するものはアニメ作品しかなかった。しかし、現在では声優の仕事は多岐に渡り、顔出しでのテレビやネット配信への出演やライブがあり、アプリゲームへの出演も声優の収益の大きな柱となっている。というか何が声優で何が声優でないのだろうか?
そしてアニメの仕事は薄給であることで知られている。1話ごとのギャラは大御所で最大5万円、新人クラスであれば、1万5千円であるという。新人がアニメの仕事だけをやって生活していくのは到底不可能である。だが現在は、先述のようなライブ活動やアプリの存在によって生活できる人が増えているのではないだろうか。
アニメに固執する理由は、現在ではなくなっている。声優という職業は、アニメに声を吹き込むものというイメージではあるが、現在の実態は変化している。
麻倉ももと夏川椎菜の2人もアニメには出ていなくとも、人気を考えるならスター声優といえる。収入だってそんじょそこらのタレントでは敵わないかもしれない。アニメに出ずとも、スターという地位に上り詰め、多くの人の熱狂の渦の中心に立てるのならば、アニメに出る必要はないのかもしれない。
しかし、それが本当に声優なのか?ということを思うこともある。今のミュージックレインや他の新興事務所が作り出そうとしているのは、声優の皮を被ったアイドルではないのか。それが絶対ダメとは言わないが、中村悠一がラジオで肩書き声優の片手間歌手を批判したことが思い起こされる。
参考:中村悠一が肩書き声優の片手間歌手を批判した件について – こえのおと
最近はアニメ声優をやっていないのに声優アイドルを名乗るユニットも多数存在している。昔からの声優好きからは少し残念だが、これからも声優とアイドルの距離はどんどん縮まっていくだろう。もうすでにアイドルとしての人気はあるが、声優ファンの知名度は極めて低い指原莉乃プロデュースのイコラブ(=LOVE)というユニットも存在している。