雨宮天の新シングル『Defiance』の売上がほぼ確定した。初動販売枚数は7,981枚で、累計枚数は8,952枚(2019年2月6日現在)だった。前作の『誓い』は初動が9,404枚で、累計が10,945枚だったので、確かに売上は初動で1,423枚、累計で2,023枚減少している。
巷では、このシングルCDの売上減少を過去の「アイドルと言われるのがすごい嫌だった」発言が理由とか、スッキリしたのが原因だとか言われている。本当にCD売上減少はそれが原因なのかを考察する。
参考:雨宮天さん「アイドルと言われるのがすごい嫌だった」の発言について思うこと – こえのおと
雨宮天シングルCD売上推移
雨宮天のシングルCDの売上推移を見てみる。
発売日 | タイトル | 初週売上 | 累計売上 | 前作比 |
14/8/13 | Skyreach | 8,482 | 13,968 | ー |
14/11/19 | 月灯り | 6,141 | 8,089 | -42.1% |
15/9/9 | Velvet Rays | 5,451 | 6,713 | -17.0% |
17/7/26 | irodori | 14,187 | 15,472 | +130.0% |
17/12/13 | Eternal | 10,220 | 11,622 | -24.9% |
18/5/9 | 誓い | 9,404 | 10,945 | -5.8% |
19/1/16 | Defiance | 7,981 | 8,952 | -18.2% |
今までの最高売上は『irodori』であり、そこから徐々に減少している。そして『Eternal』から『誓い』の減少率よりも『誓い』から『Defiance』の減少率は大きい。しかしながら、谷山紀章とのスッキリ騒動が原因というのは否定できるだろう。なぜならスッキリ騒動があったのは2014年11月だが、その後に発売された『irodori』が最高売上を達成しているからだ。
そもそも谷山紀章と一緒にいたのが本当に雨宮天なのか、あの例の画像ではよくわからないし、谷山紀章が「スッキリ 雨宮天」とTwitterで呟いたのも『スッキリ』と『ZIP』を勘違いした挙句に、検索窓とツイート欄を勘違いしたものと推測できる。
『irodori』が最高売上を達成したのには理由がいくつかある。まず雨宮天さんの好きな昭和歌謡感を出した楽曲のエモさ。そして約2年ぶりのシングルだったこと。TrySailの他メンバーである麻倉ももさんや夏川椎菜さんの売上が1万枚を超え、雨宮天さんも応援する機運が高まっていたこと。そして最後に10名限定特典が付いたことが挙げられる。
A賞 雨宮天 イベント前御挨拶 参加権 10名様
B賞 「irodori」撮影メイキング映像視聴権 100名様
C賞 雨宮天直筆プリントメッセージ入りポートレート 400名様
D賞 応募者全員プレゼント「スペシャルフォトデータ」
これにより複数買いするファンが増加したものと考えられる。
なぜ『Defiance』は売上低下したか?
そしてこの特典という存在は『Defiance』が売上低下した理由の一つでもあると思う。『Defiance』のCD購入者キャンペーンは
【A賞】
雨宮天直筆「御手紙」 20名様
ご応募の際に200文字以内で雨宮天への応援メッセージを頂戴します。そのメッセージに「御返事」する形で、お一人お一人に雨宮天が直筆の御手紙を書かせていただきます。
【B賞】
リリース記念イベント ご招待 250名様
2019年3月10日(日)夕方 東京都内某所
【C賞】
プリントメッセージ入りポートレート 400名様
【D賞】
応募者全員プレゼント「スペシャルフォトデータ」
※応募が完了すると全員もらえます。
A賞は20名になっているが、手紙となっている。しかも応募時に200文字以内の応援メッセージを書かないといけないから複数応募するハードルが高い。また内容重視で選ばれる可能性もあり、複数応募する意味があまりない。CDを積む人が少なくなったので売上が減少したのではないか。
アイドルではなくアーティストとしての雨宮天
この手紙という特典には、彼女のソロ活動に対する姿勢が表れていると思う。大抵この枠は接触イベントになるが、それを外してきた。これは彼女のアイドル声優ではないという宣言ではないだろうか。私は言いたい。「アイドルと言われるのが嫌」と発言したから売上が減少したのではなく、アイドルじゃないから売上が伸びないのだ。
そもそものご時世、シングルCDが売れるのはアイドルだけだ。オリコンの2018年シングル売上ランキングを見ると一目瞭然だ。TOP50にアイドルじゃないのは米津玄師と星野源の3枚くらいなもんで、あとはAKBやら坂道やらジャニーズやら韓流アイドルである。
雨宮天さんのアルバムCDの売上はとても安定している。
発売日 | タイトル | 初週売上 | 累計売上 |
16/9/7 | Various BLUE | 10,222 | 12,534 |
18/7/11 | The Only BLUE | 10,915 | 12,611 |
そしてシングル売上よりもアルバム売上が多いのは、完全にアイドルではなくアーティストの証拠ではないだろうか*1。
まとめ
まあ、だからといって、CDが売れないでいいとは思わない。もっと売れてほしい。興が冷めるような本音を言えば、特典が微妙だから売れないんじゃないかという気もしているが、実際私は特典自体にはあんまり興味がない(もちろん会いたいし手紙も欲しいが、積もうとは思わない)ので、その意見は書かないでおいた。
雨宮天さんが好きだから、彼女を擁護したくて、特に後先考えず記事を書き始めたが、これで本当に擁護になっているのか不安しかない。逆に邪魔になってたらごめんなさい。
- アーティスト: 雨宮天
- 出版社/メーカー: ミュージックレイン
- 発売日: 2019/01/16
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*1:ただしアルバムにも同様の特典が付いている