鬼頭明里さんと言えば、押しも押されもせぬ人気若手女性声優である。『鬼滅の刃』のヒロイン・竈門禰豆子役を演じたことで、容姿のかわいさも相まって、様々な地上波バラエティ番組(『ザ!世界仰天ニュース』や『しゃべくり007』など)にも呼ばれており、若手の女性声優の中では一般層の知名度も最も高いかもしれない。昨年はアーティストデビューも果たし、活動の幅を広げている。その鬼頭明里さんなのだが、実は人気声優という言葉だけでは表せないとてつもない声優であることが分かった。
アニメ業界を掌握する鬼頭明里
鬼頭明里さんが竈門禰豆子役を演じた『鬼滅の刃』はアニメ放映後から大ブームとなり、漫画は売り切れが相次いだ。2020年のコミック売上オリコンランキングでは『鬼滅の刃』が1位から22位までを独占し、シリーズ売上で8200万部を超える圧倒的な記録を作った。最終巻の初版発行部数は395万部となり、『ONE PIECE』には及ばせなかったものの、実質的には日本で最も売れた漫画となっている。
また、映画『鬼滅の刃 無限列車編』もコロナ禍の閉塞感を吹き飛ばすような空前絶後の大ヒットとなり、興行収入は371億円(2021年2月9日現在)となり、これまで1位だった『千と千尋の神隠し』を記録を大きく塗り替え、現在も更新中である。『鬼滅の刃』は日本アニメ史のみならず、日本映画史に残るアニメとなり、日本で一番売れたアニメというのには誰も異論はないだろう。そんなアニメに鬼頭明里さんは出演したことになる。
それでは、日本で一番売れなかったアニメはなんなのか。これに関しては色々と意見があるだろうけど、分かりやすく数字で比較するなら円盤売上が最も少なかったアニメということになる。円盤売上は、オリコンのランキングに載らないほどの売上だった場合は数字が出ないのですべてのアニメの売上を知ることは難しいが、数字が出た中で最も売れていないアニメは『七星のスバル』である。売上枚数はなんと58枚で、ワースト2位のアニメ『双星の陰陽師 天地鳴動篇』が91枚であることを考えると、他の追随を許さない記録と言ってもいい。しかも『七星のスバル』は放映中にプロデューサーが未成年誘拐で逮捕されるという事件まで起こしている。アニメや作品自体に罪はないが、ネガティブなイメージではこれも日本アニメ史に残る作品と言えるだろう。
そんなアニメにも鬼頭明里さんは出演している。ヒロイン役の1人である碓氷咲月役を演じている。鬼頭明里さんは一番売れたアニメと一番売れていないアニメの両方にヒロイン役として出演しているということだ。これはもうアニメ業界を掌握していると言っても過言ではない。そして、それは日本のアニメ業界にとどまらない。あかりんの影響力は海を越え、中国まで拡がっている。中国で爆発的人気を博した『トニカクカワイイ』のヒロインの由崎司役も鬼頭明里さんなのだ。あかりんが世界を牛耳る日も近い。