2019夏アニメの『あんさんぶるスターズ(あんスタ)』が炎上している。あんスタは原作が、Happy elementsのスマホゲームであり、女性向けの男性アイドルユニット育成ゲームなのだが、そのアニメに主人公の女性が声優付きで登場することになったため、一部のファンが嘆き悲しんでいる。そして、ファンのひとりがリスカをするという事態にまで発展した。
主人公のあんずのCVを担当する坂本真綾さんもとばっちりとしか言えないような非難をされていて、とても可哀想だ。この記事では、あんスタの炎上騒動に触れつつ、女性向けゲームに女性主人公が出ることの是非について思ったことを書く。
あんスタの炎上騒動
あんスタは、私立夢ノ咲学院に転校してきた唯一の女性生徒「あんず(デフォルトネーム)」が、プロデュース科に在籍するアイドル達とプロデュースを通して交流を深めていくというゲームである。
あんずというのはプレイヤーなので、当然ながらゲームに顔は登場しない。プレイヤーはあんずと自分を同一視して、男性アイドルと交流する。しかしアニメでは、あんずを登場させるならば、姿を出さないわけにはいかないし、声もないというのはあり得ない。このときに、あんずは自分自身から離れて別の人格を持つ。
あんスタに登場する男性アイドル達は、そのあんずに対して好意だったり感謝だったりのコミュニケーションを取るのだから、いわばアイドルが自分ではない別の女に寝取られたように感じる。特に、羽風薫というキャラクターは、あんずに好意を寄せているキャラクターでもあるので、その嫉妬心は強くなるだろう。実際にリスカしたファンも羽風薫推しだった。
そしてその怒りや悲しみは、運営ではなく声優に向く。今回は坂本真綾さんがキャスティングされたので、彼女を中傷するようなツイートが増加した。ただ一時Twitterトレンドにも載ったが、これは坂本真綾さんを擁護する声も多かったためであり、あんスタのファン全員が彼女を叩いていたわけではない。
女性向けアイドルアニメに女性主人公が出ること
あんスタと似たような女性向けアイドルアニメはいくつかあるが、それらにも女性主人公は登場している。例えば『うたの☆プリンスさまっ♪』では春歌(沢城みゆき)、『アイドリッシュセブン』では紡(佐藤聡美)が出演している。
これらのアニメについて女性主人公の評判を調べてみた。春歌はぶりっ子っぽいところが結構嫌われているようだったが、紡は嫌いという人は少ないように思えた。女性主人公が不要だと思う人も実際に多いのだろう。一方で、アイマスアニメにプロデューサーを出すなと言ったような文句はあまり聞いたことがない。だが美少女動物園に男を出すなという文句はよく聞く。私も出してほしくない。
しかし完全にオミットするとなると、ストーリーや人間関係をかなり改変しなければならないし、ストーリー改変なしで製作するには『One Room』方式くらいしかないので難易度が高い。現実的に考えて女性主人公が登場するのは仕方のないことだろう。できるだけウザくないように、控えめなキャラクターにするくらいしか対処法はないのではないか。
まとめ
あんスタは声優に既婚者で40歳に近い坂本真綾さんを起用したのは、炎上避けを考えてのこともあったのかもしれない。これが若い未婚の女性声優ならもっと炎上騒ぎになったのではないだろうか。しかしそれでも炎上するのだから、もう女性主人公の声優は野沢雅子や水田わさびくらいを起用するしかない。別の意味で炎上するかもしれないが。
それにしてもあんスタを遊んでいる最近の若い人は坂本真綾を知らないということに驚いた。まあ確かに最近アニメではあんまり見ないかもしれないが、時代の流れを感じてしまい、あんスタとは関係なく勝手に私ひとりで哀しくなってしまった。